インフルエンザが重症化しやすいのは乳幼児やお年寄りであることは前の
項で述べました。ここでは65才以上の高齢者のインフルエンザ感染について
解説します。
最近の日本の超過死亡状況をみますと1999年1月の超過死亡は過去最高で
前年同期の2倍以上でした。この原因はインフルエンザの流行にあると考え
られます。下の図は米国の古いデータですがインフルエンザの流行する年と
流行しなかった年の冬季の超過死亡の様子です。明らかにインフルエンザの
流行の年に死亡者数が多いのがわかります。
さらに下のグラフをごらんください。最近の日本のデータなのですが死亡者に
しめる65才以上の高齢者の数が多いのは一目瞭然です。
インフルエンザの流行期には、「超過死亡」という現象が見られることが確認さ
れています。超過死亡とは、その死因は統計上インフルエンザとされていないが、
高齢者や基礎疾患を有するものの死亡率がインフルエンザの流行に伴って上昇する現
象です。インフルエンザの流行はその年の死亡率に影響を与えるほどたいへんなこと
なのです。